60代で挑戦した危険物取扱者甲種受験

40年のブランクとは

私は約40年前にとある大学の農学部を卒業しました。

卒業と同時に受験資格のある甲種危険物取扱者を定年した今になって取ろうと決意し、令和8年3月に甲種危険物取扱者試験を受験し、合格しました。

決して余裕のある合格ではなく、かろうじてギリギリの成績での合格でした。

農学部では有機化学に携わっていましたが卒業後は製薬会社に勤務したものの部署は長年マーケティング。実質的に40年間近く化学の世界からは離れていました。

危険物取扱者試験を受けるにあたってネット上でどんな試験なのかを調べる為に過去問を見てみたところ、物理・化学分野の問題があり、そこには昔よく勉強したような事が書かれてありましたので馴染みは深かったです。

ところが思い出そうとしてもそこで学んだことが見事に頭から離れていってしまっていて、極端な話、原子番号、原子量、酸化還元反応、TNTとピクリン酸の構造の違いなどなどごく基本的な事も思い出せない状況であることに気付きます。

これはまずい、かつて詰め込んだ知識が「脆くも大失念」していた情けない状態からのスタートでした。

私はリタイア直後は1年間のんびり過ごし、やりたい事をやっていましたがその毎日の暇さに負けて、今はメンテナンスの仕事をしながら過ごしています。

メンテナンスの仕事は週3日、1日5時間と程よい負担でお小遣い程度の収入を得ていますがこれがまたストレスなく、心地よい労働環境であることに今本当に働く喜びを得ています。

そして日々の仕事をこなす中で色々な資格を身に着けたい、60代半ばに差し掛かってはいますが昔取ろうと思って取っていなかった資格に挑戦したいと思うようになりました。

リタイア後に大学同期の連中に聞くと危険物取扱者甲種は受験資格があるということで皆卒業後すぐあるいは会社に入社後取得したそうです。(化学メーカーに入社した者は)

ただ、毎日の生活の中で楽しみたい事が大好きな晩酌とサウナとフィットネスがありますのでこれらを楽しみながら毎日の資格勉強の時間も確保するためにどうしたら良いか?

昔の知識が頭から失われた今、どうしたら最短時間で甲種を取ることが出来るかを考えて準備をしました。

ここではその為に準備した参考書、問題集、電子機器などのツール類、活用したアプリケーションなどを紹介し、それをどの様に活用したのかも含めて記事にしていきたいと思います。

尚、試験当日の体験記録は以前の記事を参考にして下さい。

目次

第1章:投資した教材・デジタルツール30,000円の内訳とその価値

厳選したアナログ教材

参考書:『わかりやすい!甲種危険物取扱者』(弘文社 通称:工藤本)3080円

言わずとしれたベストセラーで使う使わないに関わらず誰もが知っている参考書、今となっては甲種危険物取扱者のバイブルと言える参考書ではないでしょうか。

私もこれを使って・・・というか実は時間がなくて、最終的にこれしか使いませんでした。この事が最後までハラハラさせる事になります。

これから受験する方は次に紹介する公論出版の過去問題集をやった方が絶対と私は強くお薦めする理由につながります。

あとこの工藤本には少々問題があると私は思っています。

それは誤植です。

今発売されている工藤本は大改定第2版となっており、これまでに何回かの改定をしている歴史ある名著です。

改定のたびに誤植は訂正されているはずですが今もなお誤植が見られる箇所があります。

口コミでもこの事を指摘する声が散見されていますが私もそう感じることが多々あります。後にご紹介する私がツールでフル活用したGoogle社のAI Geminiのハルシネーションほどではないにせよ、注意を要する一面だと思っています。

問題集:『令和7年版 甲種危険物取扱者 720問』(公論出版)2970円

甲種を安心して受験する為にやる過去問題集はこれだと確信を持って言えるのはこの公論出版の問題集です。

これから受験する方はこの問題集で勉強してほしいと強くオススメできる。

毎年リニューアル版が出るようですのでせっかくなので新しいものを購入したほうが良いですね。

この問題集、何が凄いかってこれをやっていると本番で同じ問題が出る事が分かっているという事です。

前述の様に私は得意だと思っていた物理・化学でよもやのギリギリの得点でようやく合格したわけですが私がもしこの問題集をやっていたら余裕で合格したと推測されます。

何故なら、私が恐らく本番で落としたと思われる問題が3問あったのですが帰宅して確認したところ、その問題がそっくりそのまま数字も変わらずこの問題集に掲載されていたのです。

大変驚き、ショックを受けました。

もし今回不合格だった場合は本当に悔しい思いをしたと想像できます。

この問題集は必須でこなした方が良いです。

工藤本には類題を除いて412問の問題が掲載されて解説もされていますが私はそれはやらずこの公論出版の720を3周位した方が合格により近いし、余裕で合格できるのではないかと考えています。

大事なことなのでもう一度、私からの提案です。

あえて言うなら

工藤本は → 辞書として使う

あくまで学習の中心は『令和7年版 甲種危険物取扱者 720問』(公論出版)を使った過去問中心で行なう。危険物取扱者甲種の勉強の仕方はこれが基本だと思います。

一言付け加えるなら私は公論出版社の回し者でも何でもありません。

双方の使い方は後ほどおすすめの方法を提案しようと思います。

令和8年度版でしたら

機動力の要:デジタルデバイス

自分のやりたい事(晩酌、サウナ、昼寝)をしつつ資格試験の勉強を継続してやりたい私の方法はデジタルデバイスに頼ることです。

Apple iPad mini(A17 Pro)

これは1類のまとめページをCleanShot X
でキャプチャーして、一つの画面にまとめたものです。

これは今回特別に購入したわけではありませんがいつでもどこでも学習できる環境作りになくてはならないツールでした。これなしに今回の合格はありませんでした。

ただ高価ですので既に持っている方以外は有れば便利ですがこの試験だけの為にわざわざ購入しなくてもいいと思います。

Apple Pencil Pro(試験のために新調)21,800円

このツールは今回、途中でわざわざ購入したデジタルツールです。

それまではサードパーティ製のものを使ってましたが思い切って純正を買いました。

ただ正直高いですねえ。いくら機能が勝っているとは言えです。

2月の中旬に急遽購入したものですが絶対必要かと言われればノーです、価格も21,800円と決して安くはありませんが持っていて損はしないツールです。

マスキングテープモード

これ面白いモードで覚えたい数字などをなぞってマスクして、タップでそれを外して回答を出すという感じです。

緑のマーキングテープでマスクしておきます。
それをペンでタップするとマスクが外れて見ることが出来ます。

 学習を加速させるアプリとAI

vFlat Scan:分厚い本を爆速でPDF化(500円/月)

このアプリは一言で言うと書類をスキャンして、PDF化するものですが正直、非常によくできた秀逸なアプリケーションの一つです。私は上記の『わかりやすい!甲種危険物取扱者』と『令和7年版 甲種危険物取扱者 720問』(公論出版)など今回の資格学習に必要な書類は全て、これでスキャンしてGoodnotes6に取り込みました。

このアプリ、自動でスキャンする機能があるので何百ページもある参考書、問題集がほぼ自動で本の数十分でPDF化することが出来ました。

サブスクで1か月500円ですがその価値は無限にも思えるほど重宝します。

年間契約もありますが今回は1か月だけサブスク契約して数冊の書類をスキャンしました。

Goodnotes6:デジタル上で書き込み、自分専用ノートにする 1600円/年

今回のデジタル教材の肝となるアプリです。

デジタルノート派の方には今更説明する必要のないアプリとなっているほど有名です。

私はPDFのページを入れ替えたり、まとめたりして復習に活用したりしてました。

また過去問412問の中で何回も間違えた問題はフラッシュカード化して、試験直前の総復習に使ってました。

フラッシュカード
フラッシュカードの問題
問題をクリックすると
回答が表示されます

ノートテイキングからPDFを出して、勉強しながらマーキングしたり、問題を解いて、何度も間違える問題をフラッシュカードとして保存しておいて後々自分で確認テストをして、記憶の定着化をしたりとかとにかく便利で有用なアプリです。

これも先程のvflatと同様にサブスクアプリですが私はまだ取りたい資格があるものですからその参考書、問題集もスキャンしてGoodnotesで勉強したかったので1年間のサブスク契約としました。それでも1600円ですのでお安いものと思っています。

Gemini (AI):24時間即座に答えてくれる「化学の家庭教師」1200円/

ご存知、Goodle版のAIアプリです。私は今年に入って本格的にAIを様々な目的で使うようにしました。

年金受給額、税金について、メンテナンスに関する事、危険物の勉強に必要な事などなど、あらゆる事をまずはGeminiに聞くようにしています。役立つ相棒です。

ただ注意すべきはハルシネーションです。

時に平気で知ったかぶりをし、嘘も平気でつくこともあります。

この点だけは十分に中止して、AIに任せっきりにするのではなく監視の目を持って疑ってかかりながら活用するのが良いと思います。

90時間の勉強時間を最大化した「納得の自己投資」としての約30,000

前述の様に私の正味の勉強時間は恐らく1月10日〜3月7日まで90〜100時間くらいが総学習時間だったように思います。(この期間中に4日間大阪に旅行しています)

何度も言うように私の知識は40年前のものでその殆どを忘れてしまっていた状態からのスタートでしたのでネットでの報告を調べると遅く甲種危険物取扱者の資格に合格するには恐らく150時間位は必要らしいので全く時間が足りないと思っていました。

それでもギリギリとはいえ合格できたのにはこれらデジタルツールの活用なくしてあり得なかったのではないかと考えています。

それほど重要かつ有用なツール群であったと自負しています。

これを全部合計しても30000円です。

通信教育を受講すると大体2万円〜3万円ほどしますのでそれほど高いものとは思いません。これでこの資格が取れるのですがから十分価値があるのではないでしょうか。

第2章:【実践編】スキマ時間を有効に活用するデジタル活用術

『わかりやすい!甲種危険物取扱者』での勉強方法・使い方

ipad miniに取り込んだこの参考書の使い方として、私は本文を読むということをしませんでした。それだといくら時間があっても終わらないし、試験問題に対応できないと考えたからです。

私は第二種電気工事士の試験対策の時もそうであったように まずは過去問を解いて、分からない、解けない所は解き方を覚えてしまうというやり方で進めていきました。

分からない納得がいかないところは参考書を熟読する或いはGeminiに投げて聞いてみるというやり方を貫きました。(ここでもAIのハルシネーションに注意です)

ただ、後付になりますが私のこの『わかりやすい!甲種危険物取扱者』を中心とした勉強法は完全に失敗だったと思っています。

何故ならこの本はバイブル的な存在ではありますが問題数が412問とやや少なく、内容が古いのが問題だと思っています。

実際に試験を受けた印象ではこの本から似た問題は1問の出なかったです。

しかしながら、『令和7年版 甲種危険物取扱者 720問』(公論出版)は令和7年版で720問でこの中から本番では覚えているだけだ3問同じ問題、しかも数字も全く同じ問題が出題されました。

なので過去問はこの公論出版の720問を使って3周はして下さい。必ずこの中から最低2,3問は出題されます。Amazonの口コミを見てもそう言っている人が散見されます。

<証拠その1>(別記事でも書いてますが)

この問題は物理・化学の5.化学反応式Ⅱに載っている問題です。

今回の本番でも同じ問題が出ました。しかも数字も全く一緒でした。

私はこの問題をケアレスミスで落としました。炭酸ナトリウムを炭酸水素ナトリウムで反応式を書いてしまったんです。

<証拠その2>

次は同じく物理・化学の問題でシンプルなpHの問題です。

水のイオン積 Kw=[H⁺][OH⁻]= 1.0 × 10⁻¹⁴ (mol/L)²を覚えていれば簡単なのですが試験、緊張していたら間違える可能性もありますが一度問題に触れておけば簡単です。

例を上げたらきりが無いのではないでしょうか?

とにかくタブレットに720問を入れて、ガンガン問題を解いていく事でいわゆるアクティブリコールで記憶の定着を図る、これです。

デジタルを活用しましょうと言いながら、自分の活用の仕方は甘かった。

かろうじて合格はしましたが公論出版720問を最大限活用していたらもっと余裕でハラハラなどせずに合格できたのでは?と思っています。

第3章:【直前対策】CleanShot X × フラッシュカードによる弱点殲滅

最後1週間の追い込み戦略

前述したように直前の対策としては412ある過去問で何回も間違えた問題をピックアップして、フラッシュカード化して何回も繰り返し、記憶の定着は図りました。

そして、仕事のある日も含めて、サウナの休憩中や寝る前の5分で、間違えた問題だけを繰り返し反復。

iPhoneにも自動で同期されるので場所を選ばず「確認」作業を徹底した。

最後に:アナログ活用

以上デジタルでの試験対策を中心に記事にしましたが100%デジタルだったわけではありません。最も多くアナログツールとして活用したのは下記の無印良品のメモ帳です。

これなんと200枚(裏表で400枚)で92円です。ローソンで無印良品を扱っている店舗であればほぼ置いてます。

単なる藁半紙なんですが0.46円/枚ですのでガンガン使っても惜しくないです。

なぐり書きでokです。

私はこれを記憶の定着化と確認の為に使ってました。

 結び

取り急ぎ先週3/26金曜日に結果がでた甲種危険物取扱者試験の結果とその勉強法について記事にしてみました。

とにかく過去問です。合格の秘訣は公論出版の720問をいかに回数こなすか?にかかっているのではないかと確信しています。

あとはツールを味方につければ、何歳からでも知識はアップデートできるということです。

もっと詳細な報告は順次アップデートしていこうと思っています。

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