メンテナンスの現場において、デジタル計測器や電動工具は欠かせません。
しかし、最終的に「かゆいところに手が届く」のは、実はこの原始的とも言える一本の針、ピックツールではないでしょうか。
特に今の私の職場のように開業して2ヶ月も経たないホテル内はどこもピカピカの状態です。これから利用客が増えるにつれて色々とメンテナンスする場面は増えていくでしょうがそれでも大きな工具が必要になるシチュエーションは無く、この様なピックツールが活躍する事が多いと思われます。
今回は、メンテナンス業務におけるピックツールの重要性と、その具体的な活用シーンについて深掘りします。

1. 「見る」メンテナンスから「触れる」メンテナンスへ
ピックツールの最大の利点は、指先では入り込めない隙間の「感触」を増幅してくれる点にあります。
- 微細なクラックの検知: 目視では判別しにくい金属表面の傷やクラックに針先を滑らせることで、その深さや引っ掛かりをダイレクトに感じ取ることができます。
- 固着した汚れの「探り」: ボルトの溝や合わせ面に詰まった硬化グリスや錆。これを「とりあえず掻き出す」のではなく、ピックツールで突くことで、固着の度合いや下地の状態を判断できます。
- 細かな溝に入った誇りや汚れの除去
実際、新築したてのホテル内の洗面所に置かれた乾電池式のLEDミラー拡大鏡、スイッチパネルなど傷つけたくないものばかりです。LEDミラー内にインストールされた乾電池交換時は傷や指紋に凄く気を遣いますがそんな時にこのピックツールが有ればその手助けになります。

2. 現場で差がつく!4つの具体的活用シーン
① ガスケット・Oリングの精密な除去
古いガスケットの剥がし残りや、溝の奥に密着したOリング。これらを無理にマイナスドライバーでこじると、ハウジングを傷つけて油漏れの原因になります。
ガスケットとパッキンは、機械の部品や配管のあいだに挟んで流体が漏れないようにするシール材である点は同じですが
使用される場所が異なります。
ガスケットは静止部分に使われるシール材であり、部品や配管のあいだに挟んでボルトやナットで固定して使います。
一方、パッキンは動く部分に取りつけるシール材であり、素材にもよりますがガスケットと比べて摩耗しやすい傾向にあります。自動車やバイクのエンジンやポンプ、水道の蛇口などの駆動する部分に使われています。
② 位置決めの「絶対的な」基準を作る
部品を分解する前、元の位置を正確にマークする「合マーク」。マジックペンでは太すぎて誤差が出たり、洗浄液で消えてしまうリスクがあります。
メリット: ピックツールで薄くケガく(線を引く)ことで、0.1mm単位の狂いもない再組み立てが可能になります。
③ オリフィスやノズルの詰まり解消
微細な孔(あな)の詰まりは、メンテナンスにおける天敵です。 エアブローだけでは落ちないカーボン堆積物などを、ピックツールの先端で慎重に突くことで、機能を確実に回復させることができます。
また徐々にカルキ分が析出付着していく洗面所などの配管の接続部などはこのピックツールの鋭い先端で優しく取ってウェスで拭けば傷つけることもなく元通りです。
④ ホテル内カーペットの交換
ホテル内のカーペットは大抵正方形のサイズのカーペットをはめ込んでいます。
このカーペットが汚れた時は交換するわけですがそんな時にこのピックツールがあると刺して、持ち上げるだけで正方形のカーペットを持ち上げることが出来るので交換も簡単に済みます。
3. 道具を「育てる」のもメンテナンスの醍醐味
ピックツールは使えば使うほど先端が丸くなりますが、それをオイルストーンで研ぎ直し、自分好みの鋭さに調整する時間もまた、技術者の精神を研ぎ澄ます儀式のようなものです。
「良い仕事は、研ぎ澄まされた先端から宿る。」
この一本があるだけで、トラブルの早期発見や作業の確実性は格段に向上します。あなたの工具箱の特等席に、改めてこの「針」を置いてみませんか?
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