1. 何故インパクトではなくドリルドライバーなのか?
ホテルでのメンテナンスの仕事は利用客がチェックアウトして、新しい利用客がインする間の数時間が勝負なのですが
実はステイという利用客が結構います。
ステイは言うなれば連泊の利用客です。その利用客が部屋に滞在している環境で例えば何かビスを打ち付ける、釘を打つ等と言ったシチュエーションが有った場合、出来るならインパクトドライバーは使いたくはありません。
あのつんざくようなガッガッガッガッといった振動は出力したくないのです。
まして出来たてほやほやの上品なホテルでは尚更です。
という事はインパクトよりはドリルドライバーで静かにメンテという事になりますよね。
電動ドリルドライバーと電動インパクトドライバーの違い
違い その1
ではドリルドライバーとインパクトドライバーは一体何が違うのでしょう。
同じネジを緩めたり、締めたりするだけなのに何故2種類のドライバーが存在しているのでしょうか。
実はこの2種類のドライバーにはそれぞれ得意分野があります。
- ドリルドライバーは基本的にドリルです。穴を開ける工具なのです。
- インパクトドライバーはネジ、ビスを打ち込むドライバーです。
ただどちらも穴を開けるだけ、ネジを緩めたり締めたりするだけの使い方はせず、そのどちらの用途でも使ったりするのです。
違いはどちらが得意なのかという事だけなのです。
くどくなりますがドリルドライバーは穴を開ける、インパクトドライバーはネジを回すのが得意なのです。
違い その2・・・これが決定的です
下の二つの画像を見てもらいましょう。
左はパナソニック製のドリルドライバー、右はマキタのペン型インパクトドライバーです。


違いが分かりますか?パナソニックのドライバーにはクラッチという装置が付いています。
というか知っている方は何を今更と思うと思いますがドリルドライバーにはパナソニックにせよ、マキタにせよ、ハイコーキにせよこのクラッチというものが付いています。
何をするかというと、ビスの大きさに合わせて締め付ける力を予め決めておくわけです。
- 例えば直径10mmのネジを回して締めつける力で2mmのネジを締め付けてしまうと2mmのネジはその力に負けてネジ穴が舐めてしまいます。
- パソコンを組み立てる時にマザーボードの基盤に付ける小さなビスを大きなトルクを掛けて締め付けると途端にマザーボードを壊してしまいます。
- 下の画像のようなコンセントカバーの小さなビスでカバーを割ってしまう事もありません。

- また下記の様なちっちゃいイモビスをねじ込む時にも必要以上の力を加えて壊してしまうこともありません。



このクラッチは様々なビスを締める時に相手を壊さないようにネジや打ち付ける素材に合わせて力加減を調整するものなのです。
このパナソニックのペン型ドリルドライバーの場合は最大トルクが6N・mですので1メモリ当たり0.028N・mで微調整して締めることが出来るというわけです。
そしてこれは”オートストップ付なので、クラッチが効くと自動で電源OFF”しますのでトルクが効くと同時にピタッと回転が止まるというわけで不意にビスを舐めてしまうこともありません。
この感覚を一度味わうとちょっと気持ち良いです。
インパクトドライバーは自分で加減をしないといつまでも回ろうとするので注意が必要ですね。
これがドリルドライバーとインパクトドライバーの決定的な違いとなります。
2.なぜマキタではなくパナソニックだったのか
では何故、数あるドリルドライバーの中で、なぜあえて王道のマキタではなくパナソニックを選んだのか。
その「決め手」と、実際に現場で使い倒して分かった本音を綴ります。
それは静かに使いたいの一心からですがその他にも幾つか選択理由があったのでご紹介します。
3. 私がこの機種を選んだ「3つの決め手」
マキタと最後まで散々悩みましたが、最終的にパナソニックに軍配が上がった理由は、細かな「指先の感覚」と「操作性」でした。
今の職場は新築開業のビジネスホテルで本当に綺麗です。
インパクトはマキタを使ってますし、そのインパクトがすこぶる使いやすいしメンテナンス屋、電工屋、エアコン屋みんな持ってます。それほど普及してますね。
ただ新築開業ホテル内で何か問題が起こった時にインパクトは使いたくないし、電動ドリルもちょっと繊細に使いたいものです。そんな時にこのパナソニックのEZ7421ならその思いを実現してくれます。


・無段階調整のトリガースイッチ: 液晶テレビからエアコンまで、繊細なネジ締めが求められる現場では、この微調整が効くトリガーこそが命です。マキタでも良かったんですが決定的な違いはやはりこのトリガースイッチです。マキタの場合は上の写真の赤矢印のように押した瞬間に全速力を出してしまうんです。
これは新しいホテルの例えば小さなビスだとなめちゃうし、加減が効かないのでちょっとおっかなびっくり使うことになっちゃう。
ペン型のインパクトはマキタを使ってますがドリルドライバーになるとパナソニックになっちゃいます。

・ビット交換がスムーズなチャック形状: またマキタよりも少し出っ張っているチャックは、手袋をしていてもビットの付け替えが楽です。下の画像で違いが分かってもらえるだろうか?左のパナソニックのチャックは摘まみ易いんですよ。マキタのは出っ張りが少なくて摘まみづらい。この違いなんですが現場では大違いでパナソニックでイライラすることはあまり無いです。


・独特なワークライトの配置: 本体中央(お腹部分)にライトがある設計に、作業効率の可能性を感じました。何かの時の助けになりますね。ただしボタンが押しづらいです。

4. 実際に使ってわかった「現場のリアルな悩み」
もちろん、満点ばかりではありません。使ってみて初めて気づいた「工夫が必要な点」も共有します。
- グリップの距離(手の小さい方への注意点): 私は手が小さい方なので、グリップからトリガーまでの距離が少し遠く感じます。指の掛かりを安定させるための工夫が必要です。
- ライトの設計には不満あり: 先端ライトは照度が低く、影になって肝心のビット先を照らしきれません。お腹のライトもボタンが固く、片手での操作には慣れが必要です。

5. 意外な落とし穴:アクセサリーの少なさ
マキタのインパクトであれば、ベルトフックなど社外品を含め豊富なアクセサリーで「刀のように」カスタムできますが、パナソニックは選択肢が極端に少ないのが現状です。やっぱり売れているのはマキタの方なんでしょうね。アクセサリーはより売れている製品に合わせて開発しますから。

フックについては、他社製品の流用を含め、現在対策を検討中です。
5. まとめ:不満を上回る「操作感」の魅力
ライトやアクセサリーに不満はありますが、それでもこのトリガーの使い勝手は他には代えがたいものがあります。長く付き合っていく、頼れる相棒になりそうです。
より繊細な作業にはパナソニックEZ7421に軍配が上がります。
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