壁の補修や塗り替えのとき、床や周りを汚さないように「養生」をしますが、その準備に手間取った経験はないでしょうか。マスキングテープを貼って、その上から新聞紙やビニールを広げて……とやっていると、それだけで一仕事です。
私はホテルのメンテナンス職をしています。客室の壁を直す、壁紙を張り替える、といった作業のたびに、床のカーペットや周囲を養生する必要があります。時間も限られていますし、何より客室は「汚さない・傷つけない」が大前提です。そんな現場で、私が気軽に使っているのが今回紹介する アイリスオーヤマ 布テープマスカー 3巻パック(MNTM5503P) です。
結論から言うと、これは「安くて、テープ付きで、貼って広げるだけ」の、気軽にどんどん使える養生シートでした。 粘着力は控えめで手では切れませんが、その分たっぷり使えて、工夫しだいで用途は無限に広がります。
布テープマスカーとは?
マスカーとは、テープにビニール(ポリエチレン)のフィルムが一体になった養生用品です。テープの部分を貼りたい場所に貼り付け、折りたたまれたフィルムを広げれば、それだけで広い面をカバーできます。マスキングテープを貼ってから別途シートをかぶせる手間がいらないので、養生の準備がぐっと速くなります。
マスカーにはテープ部分が 布のタイプ と 紙のタイプ があります。布テープタイプは紙タイプより粘着力があり、凹凸のある面にもなじみやすいのが特長です。今回の製品はその布テープタイプにあたります。
もう一つ、この製品はフィルムに コロナ処理 という加工が施されています。これは表面の濡れ性を高める処理で、塗料をはじきにくくして液だれや飛散を防いでくれるものです。名前はものものしいですが、風邪のコロナとはまったく関係ありません。塗装の養生で「フィルムに塗料が乗ったのに垂れてこない」のは、この加工のおかげというわけです。
アイリスオーヤマ MNTM5503Pの基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | アイリスオーヤマ |
| メーカー品番 | M-NTM550-3P |
| フィルム幅 | 55.0cm(550mm) |
| 長さ | 25m |
| テープ材質 | 布 |
| フィルム材質 | ポリエチレン(片面コロナ処理) |
| 入数 | 3巻パック |
| 価格 | 3巻パックでおよそ500〜800円前後(店舗により差あり) |
ポイントは、なんといっても 3巻パックで数百円台という価格の安さ です。マスカーは一度使えば貼りっぱなし・捨てるだけの消耗品ですから、この気軽な値段はありがたいところ。1巻あたりで考えると、かなり割安です。
フィルムの幅は用途に合わせて数種類がラインナップされていますが、私の使い方では 550mm幅で十分 でした。壁の腰から下や、床の際を守るにはちょうどよいサイズです。もっと広い面を覆いたいときは、より幅の広いタイプを選ぶとよいでしょう。
余談:買うならどこ?Amazonで納期に泣いた話
一つ、購入のときの話も書いておきます。私は最初、いつものようにAmazonで注文しました。ところがこの3巻パック、人気があるようで、表示された納期がずいぶん先。待っていても、なかなか届く気配がありません。仕事で使いたいのに、これでは間に合わない。
そこで 注文をいったんキャンセルし、ヨドバシカメラで取り寄せてみました。すると、こちらは 意外なほど早く手元に届いた のです。「同じ商品でも、買うルートでこんなに納期が変わるのか」とちょっとした発見でした。
急いで使いたい方はAmazonの納期が先になっているときでもヨドバシカメラなど別のルートを当たってみると、案外すぐ手に入るかもしれません。
実際に現場で使ってみた
養生用品というと塗装屋さんの道具、というイメージがあるかもしれません。実際この製品も、もともとは塗装用として世に出たものらしいのですが、使ってみると用途はずいぶん幅広い。ここでは、私が営繕の現場で実際にどう使ったかを書いておきます。



① 壁の出隅をパテ埋め・壁紙を張り替えるときの養生に
いちばんよく使うのが、壁の補修まわりです。客室の壁の 出隅(でずみ=壁の外側の角)が欠けてしまったところをパテで埋め、壁紙を張り替える、という作業があります。このとき、パテの粉やカス、糊などで床のカーペットや周囲を汚さないように、このマスカーで養生します。
テープが最初から付いているので、壁にペタッと貼って、フィルムを下に広げるだけ。あっという間に床まわりのガードができあがります。準備に手間がかからないので、限られた作業時間のなかでもストレスがありません。
② 客室のカーペットを守る
客室の床はカーペットが多く、ここを汚してしまうと後始末が本当に大変です。作業する壁から床にかけてこのシートを敷いておけば、多少パテや汚れが落ちても気にせず作業できる。後片付けのことを考えなくてよくなるだけで、作業の気楽さがまるで違います。安いので、遠慮なくたっぷり敷けるのも良いところです。
③ 道具・ゴミの「置き忘れ防止マット」として使う
これは私なりの使い方で、地味ですがとても重宝しています。作業中に使う道具やゴミを、全部このシートの上に置いて作業する のです。そして作業が終わったら、シートを道具やゴミごとくるくると丸めて、そのまま持ち去る。
ホテルの客室では、道具の置き忘れやゴミの残しは、それだけで大きな失態になります。小さなネジ一本、切れ端一つでも、お客様の部屋に残してはいけません。すべてをこのシートの上に集約しておけば、最後にシートを丸めるだけで済みます。
養生シートでありながら、忘れ物を防ぐリスク管理の道具にもなってくれる。安いからこそ、こういう割り切った使い方ができるのだと思います。
④ 貼りやすさ・切りやすさ
貼って広げる作業はいたって手軽です。ただし一点、このフィルムとテープは手ではちぎれません。ネットの解説記事では「手で簡単に切れる」と書かれているのを見かけますが、私が使った実感では手ではうまく切れず、カッターかハサミを使っています。腰道具にカッターを一本入れておけば済む話ですが、「手でサッと切れる」と思って買うと少し当てが外れるかもしれません。
使ってみて良かった点
① テープ一体型で「貼って広げるだけ」
やはりいちばんの美点は手軽さです。マスキングテープとシートを別々に用意する必要がなく、貼ってフィルムを広げれば養生が完了します。準備が速いので、時間に追われる現場では大きな武器になります。
② とにかく安くて、気兼ねなく使える
3巻パックで数百円台という安さなので、もったいぶらずにどんどん使える のが本当にありがたい。養生は「ここまでやれば安心」という範囲を広めに取れるかどうかで、後々の安心感が変わります。値段を気にして養生をケチると、かえって汚してしまって手戻りになる。
その点、これは気軽にたっぷり使えるので、結局はコスパが良い買い物だと感じています。
③ 下地に糊が残らず、剥がしやすい
養生でいちばん困るのが、剥がしたときに 糊が残ってしまう ことです。特に客室では、糊の跡が残ると余計な手間が増えます。その点この製品は、私が使った範囲では 下地に糊が残ることはまずなく、剥がしにくさも感じませんでした。ここは地味ですが重要なポイントです。
④ 用途に合わせてサイズが選べる
フィルム幅が数種類そろっているので、養生したい面に合わせて選べます。私は550mm幅で足りていますが、広い床や壁一面を覆うなら幅広タイプ、という具合に使い分けられるのは便利です。
気になった点・正直な注意
良いことばかりではありません。正直に書いておきます。
まず、テープの粘着力はそれほど強くありません。場所や下地によっては、貼ってもだんだん剥がれてくることがあります。しっかり長時間ガッチリ留めておきたい、という用途には過信しないほうがよいでしょう。あくまで「気軽に・ざっくり養生する」ための道具だと割り切るのが正解です。
次に、先ほど書いたとおり 手では切れません。カッターかハサミが必要です。
そして、フィルムなので床に貼ると滑ります。ただ、これはフィルム養生である以上あたりまえの性質で、欠点というほどのものではありません。床に敷いたうえを歩くときは滑りに気をつける、という当然の注意をすればよいだけです。
こんな人におすすめ
- 塗装・補修・DIYで広い面を安く気軽に養生したい方:貼って広げるだけで準備が速く、値段を気にせずたっぷり使えます
- 準備の手間を減らしたい方:マスキングテープとシートを別々に用意する必要がありません
- 「汚したくない・忘れ物をしたくない」現場がある方:床の保護から、道具・ゴミをまとめて持ち去る使い方まで対応できます
逆に、屋外で強風にさらされる場所や、長時間ガッチリ留めておきたい養生には、もっと粘着力の強い専用のテープ・シートを選んだほうが安心です。この布テープマスカーは、あくまで「安く・手軽に・ざっくり」使うことに割り切った道具です。
まとめ
アイリスオーヤマの布テープマスカー 3巻パック(MNTM5503P)は、テープ一体型で貼って広げるだけ、しかも数百円台という気軽さが魅力の養生シートでした。粘着力は控えめで手では切れませんが、その分 遠慮なくたっぷり使える のが最大の持ち味です。
壁のパテ補修や壁紙張り替えの養生はもちろん、床のカーペット保護、さらには道具やゴミをまとめて持ち去る「忘れ物防止マット」まで。使い方しだいで、養生の枠を超えて働いてくれます。
安くて気軽な一本は、現場の段取りと後片付けをまるごと軽くしてくれます。
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※価格は変動する場合があります。仕様はメーカー公表値に基づきますが、購入前に販売ページで最新情報をご確認ください。本記事は個人的な使用に基づく感想です。
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